マンネリ化された作文から個性あふれる作文へ。小学校作文指導のコツ13

春の遠足の作文を書きました。

5月に行った春の遠足。

作文指導も行事から入った方が指導しやすいので、毎年遠足の後から作文指導を始めています。

行事作文を宿題で書かせることがありますが、あまりオススメしません。

子どもたちも家で書くのと学校で書くのでは、気持ちの入り方も違うと思います。

ありがちな作文

ありがちな作文の例です。

昨日、遠足に行きました。はじめは学校の運動場に集合しました。そこから電車に乗り、◯◯駅でのりかえて、◯◯駅でおりました。そこから10分ほど歩くと公園に着きました。広場にあったアスレチックで遊びました。楽しかったです。次に大きなすべり台で遊びました。ちょっとこわかったけど、楽しかったです。そして、お弁当の時間になり、おやつを食べたあと、クラスのみんなでおにごっこをしました。1回もタッチされなかったです。そして、公園で遊んだら、電車にのって学校にもどりました。遠足は楽しかったです。

このように、指導しないと報告文のような作文になってしまいがちです。

この作文からの脱却をはかるために、初期の段階の作文指導で伝える2つのことを紹介します。

その1 まずは、書き出しの工夫をさせる。

まず1つ目は、「書き出しをセリフから」です。

『うわー広い公園!』

『大きなすべり台!』

『みんな、はやく遊ぼう!』

『ワクワクするな〜』

これだけでも、作文がガラリと変わります。

他にも書き出しの工夫はありますが、はじめにたくさん言うよりは、まずはセリフからはじめることだけを伝えたほうが、子どもたちも混乱しないように思います。

その2 印象に残ったことだけを書く

ふたつ目は、「印象に残ったことだけを書く」です。

子どもたちは、電車のこと、遊んだこと、お弁当のことなど、遠足に行ったこと全てを書かなければならないと思っています。

そうじゃなくて、自分が印象に残ったこと1つだけ書けばよいことを伝えます。

天気はどうだったか。

友達はどんな様子だったか。

先生はどんな様子だったか。

遊具はどんな感じだったか。

遊んでいる時はどんな気分だったか。

中には、お弁当のことや、おやつのこと、電車の中のことや遠足で先生に怒られたことでもいいのです。

まわりの様子を思い出して、みんなが知らない、自分だけの体験や気持ちを書いてもらいたいのです。

まわりの様子を書くことについて書かれた記事は、こちらからどうぞ!

「したこと」より、「見たこと」を書く 小学校作文指導のコツ6

参考になる作文をたくさん読んであげる。

なんの参考もなければ、子どもたちも書けません。

セリフから始まり、印象に残ったことだけを書いている参考になる作文をたくさん読んであげます。

「いざ、すべるぞ。」  わたしが楽しみにしていた、大きな すべり台の前に立ちました。

「うぁー。大きいすべり台だー。」 とこうふんしてしまいました。

でも、「いざいくぞー。」 となると、こわくてふるえてすべれなくなり、きんちょうしてしまいました。

そして、友だちにおされて、いきおいよくすべりました。 みんなも「キャー。」 と言って、すべっていました。

わたしは、すべり台にたまっていた水たまりのせいで、ズボンがぬれてしまいま した。

ちょっとつめたかったです。

すると、子どもたちも「そう書けばいいのか!」「書きたい!」という意欲がわいてきます。

書き出しだけ書けたら持って来させる。

原稿用紙に書き出しだけ書けたら持って来させます。

セリフで書いてあるのを確認し、大きなマルをつけてあげます。

子どもたちは喜びます。

「いい書き出しだね。」

「すてきなセリフ!」

「続きが気になるね!」

など、前向きな言葉をかけてあげます。

作文が苦手な子もいる。

書き出しが書けたら、あとは自由に書いてもらいます。

作文がだいぶガラリと変わります。

書いている間、印象に残ったことだけを書くことを忘れないように声かけをします。

とはいっても、1回書いただけで劇的に変わることを期待しすぎてはいけません。

もちろん、1回で劇的に変わる子もいますが、その人数は回数を重ねるごとに徐々に増えていきます。

はじめは、セリフから書けたことを喜んであげます。

それだけで花マルです。

1年かけて、ゆっくり作文指導をしていきます。

ご意見いただけたら幸いです。

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