個人懇談で保護者の方に
「うちの子、文章問題が苦手なんですよね〜。やっぱり本を読まないからでしょうかね。」
と、よく相談を受けることがあります。
文章問題ができないのは、本を読まないから。
それも一理あるのかもしれませんが、決定的な理由ではないように思います。
現場にいると、読書は好きでも、算数な苦手な子はたくさんいます。
文章問題に書かれてある文章は、物語でもないし、説明文でもありません。読んで、「ふんふん、なるほど。」と感じる文章ではありませんよね。言わば、特殊な文章です。頭の中で数字を交えて考えなければならないので、読書力とはまた違うのではと思っています。
では、どうすれば、文章問題の苦手意識を克服できるかですが…。
図をかく経験が少ない
これは、同じ学校の先生同士で話していたのですが、
「文章問題を図にかいて考える練習が足りてないのではないだろうか。」
という結論に至りました。
頭の中にある思考を図にして考えることは、文章問題を解くのに必要な力だと思います。
よく考えると、図をかいて考える授業って、単元に1回か2回くらいでしょうか。単元によっては、かかない時もあります。それに、文章問題の解き方に特化した単元はありません。
文章問題は全て子どもたちの発想にお任せといったことも出てくるでしょう。
そう考えると、文章問題が苦手な子が増えるのも当然だと思います。
文章問題に特化した授業をすることは授業時数的に難しいと思いますが、例えば朝学などの短い時間にトピック的にあつかうといいように思います。
図のかき方の基本を教える
例えばかけ算の問題。
「りんごが4こはいったふくろが3ふくろあります。りんごは全部で何こですか。」
という問題があるとします。
問題を図に表すのですが、必ず「簡単にかきなさい」と指示します。なぜなら、りんごの形にこだわって、なかなか進むことができない子がいるからです。
問題を解くことが目的なので、図は簡単に。
「りんごは◯で表していいよね。」
と、確認します。もちろん、チョコでもアメでもねこでも◯で簡単に表すことを伝えます。
次にそのりんごが一袋に4こ入っているので、
といった図がかけているか確認していきます。
このように、ひとつひとつどういった図をかかなければならないのか確認し、どんな文章問題も図で表して考えるくせをつけることが大切だと思います。
今回、最終的には
といった図になります。
図がかければ、4×3か、3×4かも間違うことはないだろうと思うし、4×3の意味も理解できるのではと思います。
さいごに
このように、図をかくのも、式が型通りであることと同じように、最低限の型があっていいと思います。そこからそれぞれの発想で問題を解いていく。教えるべきところと子どもの考えに任せるところをしっかり見極めて、文章問題の苦手な子を減らしていけたらと思います。