6年算数「資料の調べ方(データの活用)」指導実践報告(導入編)

では指導実践です。

東京書籍の旧教科書の実践報告となります。

卵の重さを比べ、データをもとにどちらの小屋が重い卵をよく産まれるのかを考えていきます。

少しストーリーを持たせ、授業に入り込めるように工夫してみました。

「重い卵ブーム」という架空のブームの中で、ある1人の中年が大儲けをするという、何とも奇想天外な物語になってしまいました。

校長先生が見たら、怒られそうだなぁ。

ふたつの小屋を確認する。

この第一時は、「いくつかの集団の記録を平均を使って比べることがある。」を目標に進めました。

先生「今日から新しい単元です。物語になっているので、よく聞いておいてください。」

ちなみに、台本も作って進めてみました。

先生「さて、世の中はタピオカブームが終わり、空前の『重い卵ブーム』が始まりました。

先生「げんさんは、そのブームに乗っかり大儲けしようと、重い卵を産みそうなニワトリを探すことにしました。」

先生「そして、東のにわとり小屋を買い取ろうとやってきました。にわとりは何羽いるのかな?」

先生「16羽!かんじんの卵はどうでしょうか。70gあれば、重い卵と言えるみたいですが、ありますか?」

子ども「う〜ん、70gに近い卵はあるけどなぁ。」

いろいろつぶやいていました。ちなみに東小屋の一番大きい卵は、67gです。

先生「次にげんさんは、西のにわとり小屋にも足を運び、重いタマゴがあるかチェックしました。資金として、2つ小屋を買う余裕はありません。さて、西小屋にはにわとりは何羽いるのかな?」

先生「13羽!さっきよりも数か少ないね。卵の重さはどうだろう?」

子ども「あ!70g以上の卵がある!」

西小屋の一番大きい卵は74gです。

ふたつの小屋を比べてみる。

先生「さて、ふたつの小屋を比べてみます。げんさんは、『一番重いタマゴを産む小屋が最高じゃ!』と、思いました。重いタマゴを産む小屋はどっち?」

子ども「西小屋の74g」

先生「東小屋はどうなんだろ?」

子ども「67gが一番大きい」

先生「そして、西小屋を買おうと思ったげんさんだけど、『いや、ちょっと待てよ。軽いタマゴも調べてみることにするか。軽い卵を産む小屋に魅力はないからのう』と思い、軽い小屋を調べてみることにしました。」

子ども「一番軽い卵も西小屋だ!西小屋は45gで、東小屋は48g!」

先生「げんさんは『これはいかんいかん!重いタマゴも軽いタマゴも西小屋じゃぁ!ワシはどうしたらいいんじゃ!』と、頭をかかえました。そこで、げんさんはひらめきました。」

子ども「なになに?」

先生「げんさんは、『そうじゃ!全体の重さを合わせたらいいんじゃ!』と思い、それぞれの小屋のタマゴの重さの合計を出してみました。すると、東小屋は合計920g、 西小屋は合計754gでした。」

子ども「え?合計で決めるの?」

先生「げんさんは『よし、もうこれで決まりじゃ!東小屋が断然思いから、東小屋に決定じゃ!』と、東小屋を買って大儲けをしようと思ったのでした。」

子ども「う〜ん」

あまり納得していない様子です。(そりゃ無理もないか)

ふたつの小屋を比べて気付いたことを発表する。

先生「さぁ、ここまででげんさんにアドバイスすることない?」

これまでの流れをふまえて、3点にしぼって考えさせます。

1.一番重いタマゴで比べることについて

2.一番軽いタマゴを比べることについて

3.全体の重さを比べることについて

先生「まず、一番重いタマゴで比べることについてどうですか。」

いろんな意見が出ます。

・他が軽かったら意味がない。

・軽いのは意味がないから、良いと思う。

・1羽だけが重い卵を産んでも意味がない。

先生「次に一番軽いタマゴを比べることについてどうですか。」

・一番軽い卵同士の差は3gなので、あまり気にしなくても良い。

・1羽だけだと判断しにくい。

・いいと思う。なぜなら、軽い卵は価値がないから。

先生「最後に全体の重さを比べることについてどうですか。」

・ダメだと思う。にわとりの数がちがうから。

・ただ、単純ににわとりの数が多いから重いだけなので、ダメ。

先生「どれもパッとしないかなぁ。重さを比べるもので、ひとつ目安として、何か使えるものない?]

子ども「平均!」

これ以前にも授業の中で、ちらほらと平均という言葉をつぶいている子は何人かいましたが、軽ーくスルーしていました。

先生「なるほど!平均を出してみようか!」

わざとらしいですが…。

子ども「東小屋は57.5g、西小屋は58g。」

先生「平均を出すと、あまり変わらないね。このように、何かを比べる時、それぞれの平均を使うことがあります。便利だね。」

と言って、第一時が終わりました。

ストーリーにすることで、むりやりにはなりますが、一番重い・軽いなどの記録についてみていくことができました。子どもたちも楽しそうに授業に参加してくれたように思います。

ご意見頂けたら幸いです。

第2時に続く!

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