第3時は「公倍数を見つける工夫を考える」
子どもたちに
「公倍数を見つけるいい工夫はないかな?」
と、漠然と問いを投げかけてしまうと、
「すだれ算で…」
と言う子が必ず出てきて、わからない子が置いていかれてしまう現象が起きてしまいます。
最終的にはすだれ算を(私は)教えますが、教科書通り、段階を踏んで教えていけたらと思います。
いくつかの工夫からどれがよいかをスライドを使ってテンポよく考える
では、指導実践です。
先生「今日は、公倍数を早く見つける工夫を探していきたいと思います。」
スライドを用意します。
↓先生「まずは、いちろうくんの見つけかた。今まで通り、それぞれの数の倍数を書き出し、公倍数を探します。」
↓先生「つぎは、じろうくん。じろうくんは言いました。『いちろうくんより、いいみつけたがあるよ!』じろうくんは、4の倍数をいくつか書き出し、その中に6の倍数があるかどうかを調べました。」
子ども「なるほど。いいな!」
↓先生「そして、ねこたろうくん『いやいや!4じゃなくて、ぼくは6から見つけるよ!』と、じろうくんとはちがい、6の倍数を書き出し、公倍数を見つけることにしました。さて、どれが一番はやく見つけることができるだろうね。」
子どもたちに考えさせ、どれがよいか手を挙げさせました。
いちろうくん、じろうくんの考えにも手が挙がりますが、圧倒的に多いのがねこたろうくんの考えでした。(わざとそれになるように、インパクトをあえて与えています…)
先生「ねこたろうくんの見つけかたのよさってなんだろう?」
子ども「数字が大きいから一気に数が進む」
子ども「書き出しの回数が少なくてすむ」
↓別の組み合わせでも確認します。
こうして、公倍数は大きい数から探すことを伝えました。
でも、算数が苦手な子は、いちろうくんのように、「2つの数を書き出す方が安心する」という意見もあります。なので、いちろうくんやじろうくんの考えもあえて否定はしません。
数字が大きい方から見つけることを印象づける。
いくつか2つの数字が書いてあるスライドを用意し、数字が大きい方を言うだけの練習をしてみます。
↓先生「どっちが大きい?」
子ども「8!」
こんなことを、繰り返し何度もやって、大きい数から見つけることを印象づけました。
そのあと、たっぷり練習です。
「6と8」「5と3」「12と4」など、ひとつひとつ大きい数から公倍数を見つけていきました。
先生「6から見つけると、4回倍数をかかないといけないけど、8からだと、3回ですむね!」
「12と4」は、「一手で見つけることができた!」と、興奮気味に言ってくれる子もいました。
↓最後は、もう一度4と6にもどり、公倍数を求め続けていきます。
先生「12、24、36、48、60…。何か気づくことはないかな?」
こうして、公倍数の性質や最小公倍数の言葉を伝えていきました。
今回のスライドはこちら!
ご意見頂けたら幸いです。