「したこと」より、「見たこと」を書く 小学校作文指導のコツ6

 

よくありがちな子どもの作文

昨日運動会がありました。はじめにラジオ体操をしました。次に応援合戦をしました。大きな声で応援しました。次にかけっこをしました。ぼくは3位でした。くやしかったです。お昼にお弁当を食べました。おいしかったです。午後に、組み立て体操をしました。ぼくは、ピラミッドで一番下で土台になりました。今年の運動会は、紅組が勝ちました。ぼくは白組だったので、負けてしまったけど楽しかったです。

運動会などの行事の後に書くと、このようにほとんどの子がしたことばかりの報告文のような作文を書いてしまいます。丸付けをしていて「あーまたかー。」って、うんざりしませんか?

では、何を書いたらよいのでしょうか?

「したこと」より、「見たこと」

したことより書かせたいものは描写です。描写と言っても子どもたちにはピンとこないので、見たことを書こうと伝えます。

入場門の前に立った。友達が緊張している。それを見て、ぼくも緊張してきた。たくさんの人が見ている。その中に、ぼくのお母さんもいた。目が合った。手を振っている。はずかしかったけど、手を振り返した。「最高の演技をするぞ。」と、心にちかって入場門を出た。

どうですか?見たことを書くと、その場の様子が伝わってきます。

作文はしたことより、見たことを書く。このことは、灰谷健次郎さんの「兎の眼」という小説の中に出てきます。新任の先生が、いろんな問題がありながらも自分のクラスに全力でぶつかっていくお話ですが、作中にでてくる足立先生という先生の作文指導の中に、見たこと作文が触れられています。私もえらそうに書いておりますが、すごく参考にさせていただきました。もちろん、お話も感動します!

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